会社は経営者のビジョンそのもの

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私はコンサルティングを通じて多くの会社、経営者と一緒にビジネスを行ってきました。

長期的なビジョンを明確に持っている会社には、「時間」と「動き」に余裕があります。時間と動きは相関関係があるため、最小限の動きで所期の目的である売上や利益を確保しているとも言えます。

逆に、ビジョンを持たず、目先の売上や資金繰りをどうしようと考えている会社は、猛烈に動きながらも、ますます窮していきます。

「会社」とは書きましたが、会社は法人(法によって、法的な人格を与えらえたもの)であり、仕組みです。

その仕組みである会社が自らビジョンを描くことはありません。

会社とはその社を代表するもの=社長(事業の責任者・リーダー)そのものであり、社長はまた、社長という役割をもった一人の人間です。

この社長がビジョンを明確化しているか、また、ビジョンに対する知識があるかどうかで、企業の成果が違ってくるのです。

ビジョンを仕事に利用していない場合は、社員が現状最適化主義におちいっている可能性があります。

つねに今日の売上、魅力的な案件、商談、取引先、商品、顧客に意識が動きます。

とても忙しく飛び回って一過性の成果を上げてはいるのですが、成果が継続されず、考えや、行動の修正をする間もなく、次の行動に移ります。

そのため、勤続年数は増えてはいても「積み重なる仕事」にはなりにくいのです。

そして、「将来的にはこうなりたい」と言うものの、本当にそれが実現できる、それに向かっていくことが会社の意義だと心から思えず、「ビジョン、そうは言っても現実の売上が大事」ということの繰り返しで、忙しい割には成果がともなわない結果となるのです。

また、一方で業績が順調で、さらに上をめざしたいという場合であっても、この方程式は有効に機能します。

会社の伝統や文化を尊重しつつ、過去の思考フレームを越えたクリエイティブにゴール達成をめざす集団になることができるのです。

ビジョンの確認と再設定

 

経営者の場合、多種多様な「状況」があり、一概にこうだと言い切れないのは事実です。しかし、この「わが社独自の状況がある」という認識自体が、根本的な問題解決に至らない原因でもあります。

経営者は、自分で事業を起こした場合や事業を譲り受けた場合、昇格した場合などがあるでしょう。

どのような経緯であったとしても、経営者になった当初は希望に燃えていたのではないでしょうか。

自分はこれをなしとげたい。

この課題を解決することに貢献したい。

動かずにはいられない。

そして、自分と社員が豊かになりたい。

この方程式でいうビジョンがあり、パッションに満ち溢れ、行動していたのではないでしょうか。

それがいつの間にか、ビジョンがゆらぎ、パッションも薄れ、アクションは消極的、あるいは、やみくもに動いている、などということになっている場合には注意が必要です。

 

この方程式が、これまでの実務での膨大な知識や、さまざまな経験を整理することの助けとなります。

 

そして、膨大な知識と経験を得た今のあなたが、ビジョンを見つめ直し、経営者になったあの頃の情熱を得ることができたら、何も恐れることはないと感じられるのではないでしょうか。

 

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