「ビジョン」という言葉はよく耳にしますが、おおむね次のようなケースで使用されています。
・会社:わが社にもビジョンが必要だ
・プロジェクト:今回のプロジェクトのビジョンは・・・
・地域:国のビジョンを示せ
・個人:私のビジョンは・・・
このように、ビジョンは個人から地域までの「将来的な姿」や「展望」という意味で使用されています。本書では、個人のビジョンを取り扱い、次のように定義します。
ビジョンとは、自分が心から求める「理想の状態」と「情景」
「理想の状態」とは、自分が考える理想が叶った状態であり、どのような場所で、何を目にし、何に囲まれているのかという「場面」です。
その理想が叶った場面では、周囲の人々はどんな表情をしているか。そして、それらすべてを見渡し、自分はどんな感情を抱いているか、という「自分の感情をともなった場面」が「情景」です。
自分にとって理想的な「場面」と「情景」を統合した視覚的イメージが、ビジョンです。
自分が心から求めているビジョンであり、そのビジョンのために生きようと決めることによって、ビジョンは人生の目的となります。
さらにわかりやすくするために、写真を例に説明しましょう。
部屋の掃除をしていると、一枚のスナップ写真が出てきました。その写真は親しい友人たちと旅行し、楽しい時間を過ごしていた時の写真でした。
写真を見た瞬間、その時のその場所のことが思いかえされ、その場所の雰囲気やその時の楽しさが五感をともなってよみがえってきました。
このような経験を誰もがしたことがあるでしょう。
その写真には、ありのままに映し出された画像という光の情報だけではなく、そこにいる人たちの感情までもが表情や体の動きなどから映し出されています。
この映し出されたものが「状態」で、その状態に感情がともなうことにより「情景」となります。
そのため、写真は「過去のビジョン」といえます。
本書でのビジョンは、未来に求めるビジョンですので「未来の写真」といえるものです。
あなたの手元にその未来の写真があって、そこにあなたが理想とする「状態」と「情景」が映っていたなら、その写真の状態に近づき、情景を楽しみたいと感じることでしょう。
このようになったときに、ビジョンは目的化します。
人生の目的化されたビジョンに向かうということは、その過程の人生時間をビジョンという目的のために費やすことでもあります。
私たちは人生という有限な時間を、何に費やすのか。このビジョンが、自分が本心から求めることであればあるほど、生きがいを感じ、充実した人生を送ることにつながるのです。
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