自分らしく豊かに生きる

私は、経営コンサルティング、コーチングを仕事としています。

これまで個人、経営者、大企業の役職員、行政機関職員などの数千人の仕事と人生に向き合ってきました。

クライアントの多くは、自分の目の前の仕事の課題を解決するために、依頼をされます。

クライアントとしては「目の前の課題を解決したい」と考えるのは当然のことですが、私がクライアントと向き合うときには、まずクライアントの人生全体を長期的視点で見つめることからスタートし、現在の課題解決を考えます。

この長期的視点こそが、本書のテーマである「ビジョン」なのです。

ビジョンは、生き方、働き方の目的となり、方向性を示すものです。

このビジョンからの課題解決のアプローチは、私にとっては負荷のかかるものですが、クライアントにとっては、現在の課題解決が長期的な豊かさや幸せにつながる、最善の方法です。

私はこれまで、ビジネスの方法論もさることながら、「個人が仕事を通じ、いかによりよく生きるか」ということを30年近くにわたり研究してきました。その研究は、まさに「ビジョンの見出し方とビジネスへの活用」です。

心から求めるビジョンを発見し、そのビジョンにもとづいた仕事を行うことで、「成果」「生きがい」「やりがい」「貢献」「人間関係」「幸せ」などの、豊かな人生の要素をトータルでバランスさせることができます。さらに、ビジョンによるビジネスは、やりがいのあるライフワークの創出、競合のないコンセプトの発案、ビジネスの安定化や成長などに活用できるのです。

一般的にビジョンというと、夢やイメージといった理解がなされ、「現実」や「具体的」とは反対の意味で使われることが多いものです。しかし、私が提案するビジョンは、「自分が理想とする未来を現実化するための具体的な方法」です。

それは、未来に生きる人(Futurist)になる方法ではなく、今をより良く生きる人(Nowist)になる方法なのです。