
ビジョンとはどのようなものかが、ご理解いただけたと思います。
しかし同時に、「ビジョンという理想の状態に、どうやって進めばいいのかがわからない」という疑問も生じるでしょう。
実は、ビジョンへの到達の方法は、わからなくてもよいのです。
「なんと無責任な!」という声も聞こえてきそうですが、しっかりと説明しましょう。
ビジョンを持つことは、カーナビに目的地を入力することにとても似ています。
ナビの操作をイメージしてください。
ナビに目的地を入力すると、最初に目的地までの推奨ルートが画面に示されます。
それは「高速道路」「一般道」「最短距離」の3種類程度でしょう。
あなたは、どのように目的地に到着したいかによって、ルートを選択します。
とにかく目的地に早くつきたいのであれば、「高速道路」を選ぶでしょう。
また、時間をかけてもゆっくりと風景を楽しみながら目的地に向かうのであれば「一般道」を選ぶでしょう。
高速道路の料金を節約し、しかも早目に目的地に着きたいのであれば「距離優先」を選ぶでしょう。
このナビで示されるルートは、私たちの思考ともいえるものです。
目的地という欲しい結果が入力されることによって、はじめてそこに向かうための方法が考えられ、ルートという選択肢が考えつくのです。
このルートを選ぶことは、ビジョンという目的に向かうための生き方、働き方を選ぶことに似ています。
そして、目的地、ルートを設定すると、カーナビのなかでは現在地と目的地は「経路」という一本の線でつながります。
あとは、ナビの指示とおりに目の前の交差点を通過するだけで、目的地という欲しい結果に到着します。
その目的地とは「未来の写真」を撮る場所であり、そこに到達したときのあなたの感情をともなった風景が「情景」なのです。
しかし、私たちの思考としての「ナビ」は、目に見えない選択肢に交差点ごとに悩み、道を間違え、ルートにもどる、あるいは通行止めにより迂回路を進むというようなこともあります。
時にはルートをはずれ、気の向くままに脇道を楽しむこともあります、このような場合であっても、ビジョンという目的は、北極星が旅人の目印となるように、どこにいても見える場所から、私たちが進む方向性を指し示し続けます。
ビジョンという目的地に向かうプロセスのすべては、ビジョンに到達したのと同じような、うれしさ、楽しさ、充実感を私たちに与えてくれるのです。
ここではカーナビを例にとり説明しましたが、カーナビにはあらかじめデータとして持っている道路情報からルートを選んでいるにすぎません。
私たち人間の能力は、目的達成と課題解決のために、つねに最善の方法を見いだすことができます。その最善の方法は、ビジョンへの道を進みながら発見すれば良いのです。
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