自分と仕事は分離できないものだとすると、今の仕事や働き方が自分に適したものかをどう判断すればいいのでしょうか。
行動分析的な考えによると、人は「痛みを避ける」ことと「快を求める」ことの組み合わせによって、逃避するか、行動するかを決めています。
我慢できない痛みであれば、逃れることを選択するでしょう。
心から求める欲求があれば、その欲求に従い、行動を起こすでしょう。
これらの分析的な方法でも、仕事に対するあらかたの適合性を見いだすことができます。
しかし、この分析的な方法では、仕事を考える上で最も重要な要素が抜けています。
その抜けているものとは、「何のために仕事をするのか」という仕事の目的です。
この仕事の目的が明確でなければ、仕事のやりがいや充実感を感じることはむずかしいでしょう。
また、人の一生を考えた場合、仕事は「人生」に含まれる概念です。
本来であれば、先に「何のために、どう生きるか」という人生の目的があって、仕事の目的が決まるものです。
しかし、私たちは、人生や仕事の目的を問い、その答えを見つけるまえに就職をしなければなりませんでした。
そして、その仕事や人生でさまざまな経験を積むことによって、ある日次のような疑問が思い浮かぶのです。
「自分は何のためにこの仕事をしているのか」
「自分の人生はこのままでいいのか」
ビジョンを見いだすことによって、自分の人生の目的と、何のために仕事をするのかという仕事の目的を統合することが可能になります。
「そんなことは今の会社、仕事では考えられない」「転職や起業するしかない」と感じられるかもしれません。
しかし、目的を持たず転職をしても、自分らしく豊かに生きるという根本的な課題解決にはなりにくいことも事実ではないでしょうか。
本書では会社や組織に属する人たちが、現在の職場や仕事で自分らしさを発揮するかについても解説しています。
よほどの不満や危機、やりたいことが決まっているのであれば別ですが、自分のビジョンを見いだしてから転職や起業、新しい分野への挑戦を決めても遅くはありません。
私たちの脳が仕事と自分を分離できない以上、自分の人生の目的と仕事の目的を統合することが、自分らしく豊かに生きるためには重要なことなのです。
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