「仕事と自分は分離できるのか」
この質問をすると「仕事は仕事として割り切り、本当に自分がやりたいことをやるというのは別だ」という人と「自分のやりたいことを仕事にしたい」という人に分かれるでしょう。
あなたは、どちらの考えに近いでしょうか。
前者は、たとえやりがいが感じられなくても、自分らしさを発揮しにくくても、その稼いだお金で生活し、趣味などの自分の好きなことをすればいいという考え方です。
このことを改めて考えてみましょう。
個々の仕事ではますます高い専門性が要求され、習得した知識や情報を随時更新しなければならない時代になってきています。
ビジネスパーソンとして一定の成果をあげている人は、マーケティングの能力向上、新商品の知識、競合の動き、マネジメントやリーダーシップなどの知識やスキル向上に取り組んでいます。
仕事時間はさまざまな実務に追われるため、知識習得やスキルの向上を仕事の場だけで行うことはできず、夜間や早朝、休日などの就業時間外にこれらのことをやっているはずです。
家に帰り家族と一緒の時間であっても、メールのチェックや進行中の仕事のことをあれこれ考えてしまうことも多いでしょう。
このような生活は、朝目覚めた時に「眠りが浅い」休日に「休んだ気がしない」「疲れが抜けない」などの感覚を持つことの原因にもなっています。
これは、私たちが寝ている間あっても、脳が葛藤、不安、不満などの課題に対し「より良い解決策」を探し続けることによって起こるものです。
私たちが課題を意識している、していないに関わらず、脳はその課題の解決に1日のほぼ全ての時間を費やしているのです。
このことから、「仕事は1日8時間、週5日の就業時間で済ませ、あとはプライベートを楽しむ」という分離論は、そもそも成立していません。
全ての人生時間のうち、就業時間によって得たと考えている給料は、実は仕事をしている「人生期間」の対価になっているということを認識する必要があるでしょう。
しかし、このことが悪いわけでは決してありません。良い悪いなどという判断は他人が行うものではなく、あくまでも自分自身で判断することだからです。
また、私は組織のなかで仕事をすることを軽視しているものではありません。
自分と組織のビジョン、ミッションを統合させ、すばらしい成果をあげている数多くの人たちを知っています。
実はその人たちも「仕事は仕事と割り切れない人」たちであることを付け加えておきます。
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