一本の樹の物語

20130108231358[1]

「この根はなんだ!」

 

森でこの樹を見たとき、思わず声が出た。

 

大きな岩盤によって根が遮られ、その岩を抱くように地表を太い根が這っている。

 

この樹は、広葉樹の根は真下に深く張るという自らの習性さえ変化させ、幹を成長させることを選んだ。

 

とはいえ、

これは人間的なものの見方。

 

植物、動物は自らの習性など意識するはずもなく、ただ生きる、ただ成長する。

 

そこに、“自然なもの”の底知れぬ強さとしたたかさ、

クリエイティビティーを感じます。

 

この樹を見るとき、

 

・根=成長の土台の大切さ

・環境に適合しつつ克服するということ

・悪い環境に過適応した結果、良好な環境の樹よりも安定した

・成長するという習性(欲求)を手放さなかったた

・それらの結果、成木になるという成果を得た

 

などのことを考えさせてくれます。

 

そして、この樹だけではなく、

森の樹の一本一本にそれぞれの物語があります。

 

それは、まるで私たち一人一人の人生のように感じられるのです。

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