「壁」をぶっ飛ばすためには、壁にフォーカスしない

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壁の存在を認めることは大切なことです。

しかし、壁はかりをみていたら、どうなるでしょうか。

私たちは、目で見ているもののほうに近づくという傾向があります。

スポーツをやっている人、オートバイやクルマの運転をしている人にはよくわかると思いますが、
私たちは、何かを避けようとすると、その避けようとするものを注視してしまいます。

その結果、避けようとしたそのものに向かい、さらにぶつかってしまうことがあるのです。

これは、物理的、現実的な出来事ですが、
私たちの心のなかでも同様のものが起きます。

例をあげると、
・病気にならないように生活していると、病気になる
・ミスをしないようにしていると、ミスをする
などがあげられます。

(勝負の世界で「勝ち」を意識しすぎて、おごりや硬くなって負けるというのもありますが、
少しテーマがずれますので、割愛します)

実際に私も就職したての頃に、経験があります。

週に2回ほど書いている、たった1通の封筒の宛名なのですが、
なんでもないところで間違うのです。

「次こそ”失敗”しないようにしよう」
「なんでこんなところで”失敗”するんだ」
「あ〜、”また””失敗”した」
「こんな”簡単なものもできない”なんて・・・」

難しいことができないのは理解できますが、
書き写すこという単純なことができないというのは、自分にとって衝撃的でした。

あっという間に10通ほどを書き損じてしまったのです。

こうなると、完全に自信喪失状態になり、
平静さを失います。

そして、さらに失敗を重ねるという悪循環に陥ります。

私の場合、幸いにして忘れっぽいたちなので、
このようなことが3回ほどで解消しましたが、
一つのことが「他の簡単なこと」に伝染してしまう可能性もあります。

野球のピッチャーが、普通にボールを投げられなくなる「イップス(Yips)」ととても似ています。

当時の私は、外部からのプレッシャーや自分の心の中で生じるプレッシャーによって、
普段は何も考えずにできていることが「意識をしすぎる」ことで、
急にできなくなっていたのでしょう。

このように私たちの心は、
何かにフォーカスするとその対象を意識しすぎて、
かえってうまく対処できない状況になることがあります。

「壁」も同じで、
壁だけにフォーカスしていると、
壁は徐々に高く、分厚くなってきます。

また、壁を超えるためのツールや方法が、
すぐそばにあっても気がつかない場合もあります。

「壁」をぶっ飛ばすことが目的ではありません。

「壁」の向こう側に行くことが目的だということを思い出しましょう。

「壁」からフォーカスをはずし、壁の向こうにある「目的」にフォーカスしましょう。